【イベントレポート】Transformation to 2050 気候変動経営×技術開発

11月11日(木)に「Transformation to 2050 気候変動経営×技術開発」を開催し、当日はスピーカー含め24名の方にご参加いただきました!
ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

●当日の様子を一部ご紹介
・冒頭、モデレーターの鈴木より、気候変動には①温室効果ガスの排出を抑制し、できるだけ気候変動を抑えていこうとする”緩和”と、②気温上昇した際に備える”適応”と、2つのアプローチがあるということを簡単に説明させていただき、緩和を仕向けていくような金融業界の動きや、適応していくための技術開発・・・といった視点でイベントをご参加いただくよう、説明させていただきました。

・前半は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの白川さんより、気候変動にまつわる金融業界の動きをご紹介いただきました。
・企業における気候変動への対応は、最早「いいこと」のためにではなく、現状当たり前に行われている環境が今後変化することで、サプライチェーンへの影響など様々なリスクが発生してくることから、今後の企業成長や事業の継続性という観点から必須となっています。そうした企業の対応に対して、政府・金融機関・市民団体など多様なステークホルダーからの監視の目が光ってきています。

・また金融機関自身も、投融資先のリスクに耐えられるか「ストレステスト」の実施を求めらえれています。日本においても、金融庁から3メガバンクへストレステストの実施を求めるなど、動きが活発化しています。

・さらに気候変動への対応として温室効果ガスの削減が求められていますが、2050年の温室効果ガス実質ゼロを目指すカーボンニュートラルに対しても、カーボンニュートラルへの検討ができていない企業からは投資撤退が相次いでいる状態であり、今後益々企業の具体的な気候変動対応が求められていくことが予想されます。

・後半は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の齋藤さんより、オイルショックを契機に発足したNEDOの紹介から、カーボンニュートラルに向けた世界的な動向について、ご紹介いただきました。

・カーボンニュートラルを実現していくために、国では「グリーン成長戦略」が発表されており、特に重点的な取組が必要な分野として洋上風力発電や水素などの14つが指定されています。

・さらに、NEDOではグリーンイノベーション基金を設立。2兆円という大規模な予算を投じ、14つの重点分野において、研究開発から社会実装までを様々な民間企業や大学・研究機関と連携し、本気で進めていくプロジェクトを今年度から開始しています。

・グリーンイノベーション基金プロジェクトにおける例として、例えば次世代航空機の開発があります。航空分野においては、持続可能な燃料開発・利用を進めていくだけでなく、機体側の軽量化・エンジン効率化・電動化・水素航空機などの開発を進めていくことで、温室効果ガスの低減を進めていきます。

・その他、公募中のプロジェクトとして、CO²をコンクリート中に固定する新たな技術開発も開始しています。

・白川さんと齋藤さんの説明を通じて、気候変動への対応・カーボンニュートラルへの実現にむけた金融業界及び産業界の全体像をエクストリームにキャッチアップしました。
・その後の交流会では、コンサルティング企業や水産事業者、またアメリカ・ワシントンから参加される方など、多様な7名の方にお集まりいただきました。「ESG投資はあるところでブームが過ぎるというものではないのか」や「金融からの視点で企業における気候変動への対応の必要性は理解できたが、何か企業一般の指標などはないのか?」など、活発な質疑が行われると共に、多様なメンバー間の感想をシェアすることで、新たな気づきがあるような会となりました。

●参加者からの声
・要点がまとまっていて分かりやすかったです。
・少し難しさもあったが、社会の潮流や金融の動きなどがわかってよかった。
・とても興味深かったです。少し先の未来を想像して、行動するための指針になりそうな会だと思いました。環境を取り巻く流れと経済活動は日々変化するので、定期的に開いて欲しい会だと思いました。

●次イベントのご案内
次イベントは、1月に予定しています。現在テーマなどを企画中ですのでお楽しみに!